私たちの思い

最近、娘が少しずつ夜に長く眠れるようになって、私もやっと落ち着いて眠れる時間が増えてきた。

そんな夜、静かなリビングで娘の寝息を聞きながら、ふと妊娠中のことを思い出すことが増えた。あの時の気持ちが、時間が経つにつれて鮮明に蘇ってくる。今、この腕の中で眠っている娘を見つめながら、妊娠中に感じていたあの特別な喜びや不安、そして日々がすべて新鮮で新しい体験の連続だったことを思い出すたびに、涙が自然と溢れてしまう。

妊娠が分かったあの日。あの瞬間、すべてが変わった。テストの結果を見て、まるで夢を見ているかのようだった。小さな線が示す新しい命の存在が、私の心を一瞬にして満たしてくれた。それまでの生活が一変し、私の心の中心にはその小さな命が座っていた。

まだ顔も知らない娘。でも、私の中に確かに存在している命。それを実感するだけで、胸がいっぱいになった。今、こうして抱いているこの娘が、その時のお腹の中にいたなんて、なんだか信じられないような不思議な気持ちになる。

最初はほんの小さな変化しか感じられなかった。お腹の膨らみも、体の変化も、日々少しずつだったけれど、それがなんとも嬉しくて、毎朝鏡の前で自分の姿を確認するのが日課になった。まだ誰にも気づかれないくらいの小さな変化。でもその変化が愛おしくて、「もうすぐママになるんだな」と思うたび、自然と笑みがこぼれた。

やがてお腹が少しずつ大きくなり、娘の存在がますます実感できるようになった。初めて胎動を感じた時は、本当に感動的だった。ポコポコとお腹の中で動くその感覚が、私にとってはまるで奇跡のようで、娘が「ここにいるよ」と教えてくれているように感じた。その瞬間、妊娠が現実のものとして私の中に深く刻まれた。お腹を撫でながら「元気でいてくれてありがとう」と毎日話しかけるのが日課になったのも、この頃からだった。今、この腕の中で眠っている娘も、あの時お腹の中で元気に動いていたんだなと思うと、なんとも言えない感動が胸を締め付ける。

妊娠中は、とにかく「娘に会いたい」という思いでいっぱいだった。毎日、娘のためにどんな準備をしようかと考えながら過ごす日々。ベビー用品を一つひとつ選び、部屋に少しずつ娘の居場所を作っていくのが楽しくて仕方なかった。小さなベビーベッドを組み立てたり、小さな服を畳んだりするたびに、そのすべてが「娘が来る日」を待ち望んでいる証拠だった。まだ見ぬ娘との未来を想像するだけで、心が温かくなった。

もちろん、不安もたくさんあった。娘が無事に生まれてきてくれるだろうか、出産は大丈夫だろうか、そんな不安が夜になると頭をもたげてくることがあった。特に夜中に目が覚めた時、静かな部屋で一人、お腹を撫でながら「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせていた。でも、娘が元気に動いてくれると、その動きが「心配しなくても大丈夫だよ」と伝えてくれているようで、不思議と心が落ち着いた。お腹の中で娘が動いているだけで、そんなに安心できるものなんだと、自分でも驚いたくらい。

あの頃、私は母親になる準備をしていたのだと思う。娘が生まれてからが「母親としてのスタート」と思っていたけれど、実は妊娠中からすでに母親としての心が育まれていたのだと、今になって気づいた。お腹の中で娘を感じながら、毎日少しずつ母親としての責任感や愛情が深まっていった。そんな日々を過ごしていたからこそ、今こうして娘を抱いているこの瞬間が、なんて愛おしいものなのかを心から感じる。

娘が生まれた瞬間のことは、今でも鮮明に覚えている。痛みも疲れもすべて吹き飛ぶような感動が全身を包んで、初めて娘を抱いた時のあの温もりを思い出すと、今でも涙が止まらない。お腹の中で感じていた小さな命が、こうして目の前にいて、私の腕の中で安心して眠っている。その事実がどれほど奇跡的で、感謝すべきことかと改めて感じる。娘を抱きしめた瞬間、自分がどれだけこの子を待ち望んでいたかを、全身で実感した。

それからの毎日は、本当に大変だった。夜中に何度も起きて授乳したり、おむつを替えたり、思うように眠れない日が続いて、体も心も疲れ果てることがあった。でも、娘が目を覚まして私を見つめるその瞳や、小さな手で私の指を握ってくれるその瞬間、すべての苦労が報われる気がした。娘が私を信頼してくれている、その小さな仕草が、私にとって何よりも励ましだった。

時には、疲れすぎて泣きたくなることもあった。娘が泣き止まなくて、どうしていいかわからない時もあった。それでも、娘のためなら何でもしてあげたいと思えるのは、この小さな命が私に与えてくれる無条件の愛のおかげなんだと思う。どんなに大変でも、娘の笑顔を見るだけで、また頑張ろうと思える。それが、母親としての力の源なのかもしれない。

毎日が忙しく、あっという間に過ぎていく中で、ふとした瞬間に妊娠中のことを思い出すことがある。特に娘が眠っている時、静かな部屋でその寝顔を見つめながら、妊娠中に感じていたあの静かな幸福感が蘇ってくる。あの時、まだ顔も知らなかったけれど、確かにお腹の中にいた娘。その存在が、今ではこうして現実になっていることが、なんとも言えない感動を与えてくれる。

娘が生まれる前、毎日「早く会いたいな」と思っていた。エコー写真を見ながら、その小さな姿に「どんな顔をしているんだろう」と想像し、胸が高鳴った。そんな日々が今では懐かしく、そしてその時の気持ちを忘れたくないと思う。だからこそ、私はただアルバムを作るだけではなく、ポスターも作りたかったんだと思う。エコー写真は、私が娘との最初のつながりを感じた瞬間を象徴している。それを形に残して、いつでも目にすることができるようにしたかった。アルバムだと手に取って見返すことはできるけれど、ポスターにすることで、日常の中でその時の気持ちを思い出せる。部屋の中に飾られたポスターを見つめるたび、あの時の幸せな気持ちが蘇り、娘との絆を改めて感じることができる。それは、私にとって何よりも大切な宝物だから。

この娘との日々が、どれだけ貴重でかけがえのないものか。

妊娠中に感じたあの特別な気持ちと、今こうして娘と過ごしているこの瞬間、その両方を大切にしていきたい。そして、これからも娘と一緒にたくさんの幸せな瞬間を積み重ねていきたい。そんな思いを込めて、私はポスターを作ることにしたのかもしれない。